「LGBT理解増進法案」がヤバい!? 「同性結婚」のいったい何が問題なのか【谷龍哉】
「強制結婚」から「自由結婚」のさらなる沼へ:結婚制度の変遷と今後の課題
【同性結婚について】
現代の結婚制度が恋愛結婚を前提に運用されている現実があり、今更「お見合い結婚で強制的に結婚させよう!」というような時代を逆行する制度は、我々日本人にとって受け入れがたい反面、急に親や上司が「おまえの結婚相手を見繕ってきたから見合いをしろ」と言ってきたら案外受け入れてしまう人も多い気がするのが今の日本なのかなと思ってしまいます。
とはいえ、お見合い結婚が廃れてしまったのが現実です。明治時代に作られた家制度を前提にする結婚制度から脱却し、恋愛結婚を前提に法整備を進める必要があるのではないでしょうか?
そして、この法整備に合わせてLGBTの方々が結婚出来る形に落とし込む為の議論を進めていくことが、恋愛結婚という我々にとって大切になった結婚制度を社会全体で共有出来る道のように感じます。
その際、今ある法律に付け焼刃で法改正するようなことは、大きな問題を生みかねないため、感情に任せて同性結婚を認めろという話ではなく、法律と感情を別けて議論する事が最も大切です。
5月19日から始まるG7広島サミット開催前までに「LGBT理解増進法案」の提出を目指しているためか、議論を切り上げるような形で「LGBT理解増進法案」がまとめられています。(注8注9)
※LGBT理解増進法案、自民・茂木幹事長「速やかに手続きを」 G7広島サミット前に法案提出を目指す 2023年5月15日
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/485965?display=1
SNS上では主に、「女性用トイレに体が男性の女性が利用可能になる事は、犯罪の増加に繋がるのではないか?」といった声が多く、各種メディアでもトイレで起きている犯罪行為を積極的に取り上げていますが、トイレに関しては犯罪が起きにくい安全性を優先した設計にするなどの建築に関わる問題になります。
今世間で騒がれているジェンダーレストイレは安全性を無視してデザイン性を優先しているトイレが目立っているため、これをもって「ジェンダーレストイレは犯罪が増加する」といった話を一律に議論することには問題があると感じています。
※歌舞伎町タワー・共用トイレ炎上で見えた課題3つ 2023/04/26
https://toyokeizai.net/articles/-/668519
多様性を認めて行く社会に移行する中で、人の内面性にかかわる部分の法整備を進めていくのは非常に難しい課題ではありますが、恋愛という形のない事柄は、人との結婚だけにおさまらず、ありとあらゆる対象との結婚が約束される未来が待っているのではないでしょうか。
ゲームの世界では結婚制度を取り入れているものもあり、中身の性別を問わない為、同性結婚が実現していたりします。実に先鋭的であり、実社会の参考になることがあるかもしれません。
文:谷龍哉
(注釈)
(1)差別的発言で首相秘書官更迭「同性婚」当事者ら “法整備を” 2023年2月8日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230208/k10013974281000.html
(2)100年前の日本人が「全員結婚」できた理由 「恋愛結婚」が9割の現代は離婚率も増加 2018/1/2
https://toyokeizai.net/articles/-/202863
(3)e-Stat 政府統計の総合窓口 1920年~2020年
https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003410382
(4)e-eov 法令検索 昭和二十一年憲法 日本国憲法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=321CONSTITUTION
(5) e-eov 法令検索 明治二十九年法律第八十九号 民法
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=129AC0000000089
(6) 常識では理解し難い離婚による財産分与に係る税金 2022年03月10日号
https://www.tohoren.or.jp/taxinfo/2022031014699.html
(7)岸田首相 同性婚「見るのも嫌だ」などと発言の荒井秘書官 更迭 2023年2月4日
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230204/k10013970711000.html
(8)LGBT法案一任 自民保守系から不満噴出 2023/5/13
https://www.sankei.com/article/20230513-ASQCKQBRMVKFFDLVHKDALPCO7Y/
(9)自民・稲田朋美氏 LGBT法案了承「修正したが、趣旨は変わらず」 2023年5月12日
https://www.asahi.com/articles/ASR5D6KKBR5DUTFK01F.html?iref=pc_ss_date_article